飛べメロス
メロスは激怒した。必ず、低脳なオバマを除かなければならぬと決意した。
結婚式を間近に控えた妹を持つメロスは、このカップルに贈る流行な衣装を買うために火星から地球へやってきた。地球にはメロスの親友のセリヌンティウスがいた。
しかし、地球の様子がなんだか変。
「大統領は人を信じられなくなり、世界の人間を次々と無人機で殺すようになったのです」
「そんなばかな。なんという低脳」
怒ったメロスはホワイトハウスまで行ったが、逆に捕まえられてしまい大統領の前に連れて行かれた。大統領はメロスに刑を言い渡した。
「グァンタナモの刑」
「ちょっと待って。火星で妹が結婚式を控えている。三日だけ待ってくれ。その間、友人のセリヌンティウスを人質に置いていく……セリヌンティウス、人質になってくれるか」
「わかりんご、逝ってよしメロス!」
その晩、メロスは火星へ。
一睡もせず飛び続けて火星についたメロスは、仲間とニャンニャンして翌日、強引に結婚式を行わせた。メロスはずっとこのままでいたいと思ったが、それは無理。
翌日、メロスは地球へと向かったが、なぜか宇宙船が止まってしまった。
「このオンボロ宇宙船め」
だか、なんとか修理した。
すると、目の前に海賊の一味が現れた。
「お前ら、かかれ!」
海賊たちはメロスに飛びかかったが、メロスは反撃。
「ギャフン」
海賊たちを倒してメロスは飛び続けたが、いよいよ疲労がピークに達してバタンキュー。
ああ、私はもうダメだ。もう諦めてしまおう。頭もクラクラだ。セリヌンティウス、許してチョンマゲと思ったそのとき、目の前にブラックホールを見つけた。
「そうだ、これを使えば一瞬で地球に行けるかもしれない」
メロスは一か八かでブラックホールに突っ込んだ。すると地球が目の前に現れた。
途中、セリヌンティウスの弟子であるフィロストラトスから通信が入った。
「メロス選手!」
「なんですか?」
「もう間に合いません。セリヌンティウス様は処刑されます。あの人は最後まで貴方を信じた。しかし、今はあなたの命が大事です」
「何を言う! ここまできたら最後までやるしかない」
「ああ、あなたは狂ってしまったのか。でも、もしかすると間に合うかもしれない。飛べメロス。」
メロスは全力で飛び、ついに地球に辿り着いた。
「恥ずかしながら帰ってまいりました」
メロスが叫ぶと、セリヌンティウスは解放された。
「メロス、おかえり」
「セリヌンティウス、俺を殴れ。俺は一度、悪い夢をみた。君に殴られなければ、君を抱きしめる資格が無い。」
セリヌンティウスはメロスを殴ると、こう言った。
「メロス、私も一度、君を疑ったのだ」
メロスがセリヌンティウスを殴ると、それから二人はひしっと強く抱き合った。
群衆の中からも、すすり泣きの声が聞えた。低脳オバマは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「開けてびっくり玉手箱。お前らは私の心に勝った。どうか私もお前らの仲間に入れてくれ」
モチロンよ!
「万歳、大統領万歳。」
ひとりの少女が、緋ひのマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
勇者はひどく赤面した。