dgwingtong's blog

世の中について書きます

読んだ本を全く覚えていないのは悪いことではない

人間なんで本を読むのか。その動機は人それぞれだろうけど、私の場合は刺激を得るためである。だから読んだ本を全く覚えてなくても気にしない事にした。

とは言っても、読んだ本を全く覚えていないのはまったく無駄な事をしているのではないかと最近気になっていた。しかしその本から全く感銘や衝撃を得ていないなら、覚えていなくても仕方がないだろう。

本を読む楽しみは、それによって自分の今までの経験が無効化されるとか、これまでの前提が覆されるとか、そういった刺激を求めての事ではないか。

そういった知的興奮も伴わず、スルッと自分の頭の中を通り過ぎてしまった文章を惜しむ必要なんて全くないだろう。

自分が覚えていないのは、そういった自分の思考に変革を齎さない陳腐で形式的な御託でしかないのだから覚える必要がない、だから頭が覚えようとしないのだ。

この情報洪水の中で、覚えるべき情報は厳選されなければならない。だからどんどん忘れて大事な情報だけを残せばいい。

自分の思考回路の中で既に同じものは素通りし、自分と異質なものだけを吟味し評価対象に加える。そういった作業が読書そのものであるはずだ。

既に既知のものは記憶にも残らないので忘れて当然なのである。だからすっかり忘れてしまうような本は中身が薄かったという証左なのである。良かった良かった。